大判例

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東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1074号 決定

〔主文〕1 申立人が、別紙目録(二)記載の建物の西側18.57平方米を木造二階建居宅床面積一、二階とも18.57平方米に改築することを許可する。

2 申立人は、相手方に対し、金一六万円の支払をせよ。

3 本件借地契約の賃料を本裁判確定の月の翌月分から3.3平方米当り一カ月九四円に改める。

〔理由〕(申立理由)

1 申立人は、相手方から、別紙目録(一)記載の土地(以下本件土地という。)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、同地上に同目録(二)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。

2 本件建物は、老朽化し、かつ、狭隘であるので、主文第一項記載の如く改築したが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によると、本件土地はもと飯田孝の所有にして同人は福田義雄に本件土地を非堅固建物所有の目的で期間を昭和二四年一一月一五日から二五年間の約で賃貸し、福田義雄は、本件土地上に本件建物を所有したこと、本件建物は、御代政雄、三輪アツ子を経て昭和二九年一〇月申立人に譲渡され、右建物の譲渡に伴う借地権譲受について賃貸人飯田孝の承諾を得ていること、一方、本件土地は、木村正明を経て相手方に譲渡され、相手方は、昭和三四年六月三日本件土地につき所有権移転登記を受けて賃貸人の地位を承継していることが認められるので、申立人は、相手方から、本件土地を非堅固建物所有の目的、存続期間昭和四九年一一月一四日までの約で賃借中であるというべく、本件の資料によれば、賃料は現在一カ月四〇〇円であることが認められる。右借地契約上増改築制限に関する特約の存否は明かでなく、本件増改築は、土地の通常の利用上相当と認められるので、本申立は、これを許可すべきである。(相手方は、本件建物は朽廃していると主張するが、本件の資料によれば、老朽化してはいるが、いまだ朽廃の域に達していないことが認められる。)

2 附随処分

本件改築により、本件借地権は、その存続が強化されるので、申立人に対し、相手方に対する財産上の給付を命ずるのが相当である。鑑定委員会は、更新料を基礎にして給付額を算定しているが、賃貸人が賃借人に更新料を請求しうる法律上の理由はなく、更新料の授受は、当事者間の自治に委ねるべきものであるので、右算定方法には賛しがたい。本件建物が老朽化していること、残存期間が五年未満であること、本件改築の規模・態様を考慮し、給付額は、従前の裁判例に徴し、更地価格(鑑定委員会の意見に従い3.3平方米当り二七万円と認定)の三%に当る一六万円(万円未満四捨五入)を相当とする。

なお、賃料を鑑定委員会の意見のとおり3.3平方米当り一カ月九四円に改める。(小山俊彦)

目録

(一) 東京都新宿区淀橋六六三番四

宅地 80.76平方米

のうち66.11平方米(20坪)

実測 65.12平方米(19坪7合)

(二) 右地上に存在する

家屋番号六六三番一〇

木造瓦葺平家建居宅

床面積28.92平方米(8坪7合5勺)

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